4. 口唇口蓋裂の患者さんが抱える問題
お口には、食べる、話す、表情をあらわす、呼吸するなど、多くのはたらきがあります。口唇口蓋裂の患者さんにはこれらのはたらきに問題が生じることがあります。
哺乳の問題
口蓋裂があることで吸う力が弱く、ミルクを飲む時間が長くかかることがあります。
咀嚼・嚥下の問題
口蓋裂があることや、歯並びが良くないことで、うまく噛めなかったり飲み込めなかったりすることあります。
ことばの問題
口蓋裂のために、軟口蓋と咽頭のすきまを閉鎖するはたらき(鼻咽腔閉鎖機能)がうまくいかず、鼻から息がもれることが原因で生じることばの問題があります。また鼻咽腔閉鎖機能が良くても、口蓋裂児特有の発音の問題が現れることがあります。
歯数・歯質・歯列の問題
裂側で歯が欠損したり、歯質が十分に形成されない場合や、上あごの歯並びが悪くなることがあります。
あご・顔面の発育の問題
もともとあごや顔面の発育が小さくなりがちです。また手術の影響で上あごの発育に影響を及ぼすこともあります。
かぜ・中耳炎にかかり易い
口蓋裂の子供さんは、かぜにかかりやすいようです。ただし肺炎など重症になることはあまりありません。また口蓋裂の子供さんは滲出性中耳炎にかかりやすいです。
合併症
口唇口蓋裂の患者さんのうち約20%の患者さんは、他の病気を合わせ持っていることがあります。1か月検診、3か月検診でからだの別の部位に異常が指摘された場合には、専門医師の診察を受けていただきますので、お知らせ下さい。