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 新入医局員として友情登山に参加して   松本 幸三


皆さん、はじめまして!今年度、鹿児島大学病院口腔顎顔面外科に入局しました、大学院1年の松本です。今回、わが医局で毎年恒例となっています、年に2回のゼミ生との登山に医局の先輩方と参加しましたのでその報告をさせて頂きます。
 今回、我々は錦江湾を挟んで鹿児島市の向かい側にあります鹿児島県大隅半島の垂水市内の猿ヶ城渓谷にある刀剣山(いかにも険しそう)に挑みました。大学病院前に朝7:30集合し、総勢27名(このメンバーの中には遠くは長野、また福岡にいらっしゃるゼミ生のOBも含まれビックリ!)という大人数にて車で出発し、鴨池港から垂水フェリーに乗り込んで垂水港を目指しました。その日はお天気も最高、火山灰の降灰もなく、フェリーから桜島の絶景を皆で眺めていました。と、その時突然、中村教授の「痛っ!!」という声が聞こえ、振り向くと教授が甲板に座り込んでいるではありませんか!どうも足首を軽い段差で足首を捻ったらしい…今から山に挑戦しようというのに、何てことを…。
 もし途中で足が痛くなり、山の中腹で動けなくなったらあの巨体を抱えるのは若くて、体力のあると思われている自分かも…(ゾーッ)。あれこれ余分なことを考えると自分やゼミ生の頭の中は天気とは裏腹に、突如火山灰が降ったかのように黒々としたものに私の心は覆われました。


垂水フェリーからの桜島              猿ヶ城渓谷地図

垂水フェリー名物である船の上での『うどん』を食べながら垂水港に到着し、まずはお弁当や飲料水といった食料品を購入するため、近くのコンビニに立寄り買い出しを行い、目的地の猿ヶ城渓谷へと向かいました。到着してすぐに誰かが声に出して合図をした訳でもないのですが、登山のための準備をそれぞれが黙々と開始し、そのためかその場の雰囲気にちょっとした緊張感が漂い始めました。ほぼ全員が初めての刀剣山への挑戦であるため、どんなレベルなのかと各人がイメージを頭の中に膨らませているようです。しかし、出発前の集合写真を撮影する時にはいつの間にか皆の表情が自然と笑顔となっていました。


出発前の集合写真                スタートの吊り橋

さていよいよ出発となり、笑い声を響かせながらスタートの吊り橋を歩き出しました。その吊り橋が歩くたびに上下に揺れるため、私は意外にも若干の恐怖心に襲われました。 吊り橋を渡り終えると、登山道が見上げる状況で現れ『い、意外と急だな…』と内心は思ったのですが、あえて口には出さずに黙って登り始めました。登りながら、日頃なかなかゆっくりと話せないゼミ生といろいろな会話をし、話が弾んでいきました。時折、列の前方からも先生方の笑い声などが耳に飛び込んできて、なかなかの出だしでした。でも、しばらく急な傾斜の登山道を登っていくと、もうこの傾斜は終わるだろうという皆の甘い期待は裏切られ、急な傾斜の登山道の連続で、先輩や先生達口数が徐々に減ってきました。


始めの急な斜面の登り道           誰だよ、こんなきつい山を選んだのは!

途中休憩を挟みながら登っていくと、川が流れる場所に辿り着き暑く感じた気温が急に下がったのを肌で感じると同時に、清々しく気持ちになりました。また少し休憩を挟み登っていくと、今度は高いはしごが目に飛び込んできました。刀剣山で有名な『10mはしご』だそうで、皆の顔もはしごの先端の方を見上げ、高所に弱い私は少しブルーな気持ちになりましたが、ここで引き下がる訳にはいきません。27名が次々にこの難関に挑み、ここもなんとか無事に事なきを得ました。しかし、まだまだ登山道は続いており、なかなか先の目標となる感じが見えてきませんでした。「誰?こんな山を選んだのは…」という声がちらほら出始めた時、標高も上がり今までは周りが木々であった登山道も、ちょっとした垂水や錦江湾の風景が見え始めました。


途中に現れたはしご道              手塚先輩(右)と私(左)

山頂手前では、岩肌は急斜面でロープが吊るされてあり、このロープをつかんで登る動作が増え始め、少し嫌な予感に私はとりつかれました。頂上付近にさしかかると、先ほどの嫌な予感は的中し、一人しか通れないような急な登山道をロープを必死に握りたぐり寄せながら登る状況でした。なんとか無事に全員が山頂に辿り着き、一気に皆の表情が安堵と喜びと達成感に包まれているのが目に見てとれ、私もお腹が減っていたためようやく食事だと思うと嬉しくてたまりませんでした。山頂では皆が一枚岩に腰掛けて桜島や錦江湾、垂水を目下に美味しく食事をとり、登山が苦しかった分だけとても楽しい時間となりました!!


意外と高さのあるはしご道            徐々に岩肌が見え始めた


山頂で皆と記念撮影                眼下に広がる絶景

食事してしばらく体を休ませた後、下山の準備を開始しました。私は食後に少しウトウトと横になっていたためか、とてつもなく体が重く下山を拒んでいる私がいました。 しかし、このままここで留まる訳にはいかないためまだ寝ている体に鞭打って活動を開始しました。帰りの下山コースは行きの道ではなく、少し迂回した形で帰ることとなり始めはきつい道でしたが、しばらく歩くと道の舗装された登山道となり、最後には道が アスファルトとなり、徐々にゴールが見えてきて嬉しい気持ちと同時にホッと安心感に包まれました。


ゴールの猿ヶ城キャンプ場              下山後の集合写真

下山後に記念撮影を行い、その後、財宝温泉へと移動し皆で温泉に入りました。下山後の温泉の気持ち良いこと気持ち良いこと!言葉では言い表せない気持ちになりました。登山の後で、この学生・大学院生との医局登山のキーワードは『ストレスの共有が友情を生む』であると聞きました。たしかに、同じ苦しみと達成感を分け合いながら、1つの目標に向かって力を合わせた学生や先輩達ととても打ち解け、本当に楽しい友情登山となりました。今回、登山が初心者の私にとっては、かなりきつい登山ではありましたが、医局の暖かいアットホームな雰囲気を再認識するとても良い経験となりました。次回の登山を楽しみに、またこれから日々頑張ろうと決意した1日でした。最後に、教授の足は何とか無事にもったようで、「良かったー!」と私の心は清々しさと安堵感に包まれながら、家路につきました。

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