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13. 骨の移植

 上あごの骨の裂け目部分は、口唇裂や口蓋裂の手術時に粘膜で閉鎖されますが、その下には骨がありません。この部分を顎裂といい、そのまま放置すると歯が移動することができないため歯並びが悪くなる原因になります。そのために、歯列形態の回復、歯の萌出誘導、瘻孔閉鎖等を目的としてこの部分に骨を移植します。移植骨は、腰部の自家腸骨海綿骨を用います。術後数日間は傷の安静のためベッド上での安静が必要で、腰に小さな傷が残りますが、腰骨の自家腸骨海綿骨は感染のリスクが少なく移植に適しています。また、骨髄(中身)だけを取り出すため腰骨の形態的な変化はほとんどありません。手術の時期は矯正治療の方法によって異なり、入院期間は約2〜3週間です。

図11 腸骨移植術
(左:移植前 右:移植後矯正治療終了時)

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