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11. むし歯予防と食事指導

 歯は、生後6か月頃に前歯から生え始めます。子供さんによっては歯の生える時期や場所がずれることがあります。歯の悩みにむし歯がありますが、むし歯は予防することができます。そのためには日頃の生活が大切です。

むし歯菌について − 子供の健康は大人の健康から −

むし歯はお口に住み着いているむし歯菌によっておこります。むし歯菌は生まれたばかりの赤ちゃんのお口にはいません。多くの場合はお母さん、お父さんのお口から移っていきます。ご家族のお口がきれいだと、子供さんもむし歯になりにくいのです。

歯磨きについて − むし歯予防のファーストステップ −

歯磨きは歯が生えてきたら始めてください。小さなうちから「寝る前の習慣」として歯磨きをしてください。お口の中や周りはとても敏感です。いきなり歯ブラシを入れるのではなく、指でお口の周りから唇、そしてお口の中と触っていき、刺激に慣れてもらってから歯ブラシを使ってみてください。初めは嫌がってしまってもだんだんと慣れていきます。歯磨きは力を入れないで、毛先を使い軽く磨いてあげてください。ついつい力が入りがちですが、力が入ると子供さんは痛がります。最初は仕上げ磨きだけ、だんだんと年齢が上がってくると自分でも歯磨きをするようになりますが、仕上げ磨きは続けてください。

《歯みがきのポイント》
1. 歯の外側は、お口をイーと横に広げて磨きましょう
2. 奥歯から前歯・・奥歯と順番に磨きましょう
3. 歯と歯ぐきの境目に毛先をあて小刻みに動かしましょう
4. 裏側は子どもの顔を右・左に向けて1本ずつ縦磨き
5. 歯と歯の間は糸ようじを使いましょう
 歯と歯が重なったり、ずれたりして生えてきたところは、場合によっては別の種類の歯ブラシをお勧めすることがあります。歯磨き粉はうがいができるようになってから使用してください。歯ブラシを咥えたまま歩き回ると転んだとき、とても危険です。歯ブラシを使うときには歩き回らないことを習慣づけてください。

フッ素 − 歯を強くする大切な味方 −

歯磨きだけではむし歯を防ぐことはできません。歯を強くするフッ素のお薬を歯医者さんで定期的に塗っていくことで、よりむし歯菌に強い歯になっていきます。フッ素塗布は生えたばかりの歯に対して効果的です。また、ご家庭でフッ素入りのスプレーやジェルを毎日お使いになるとより効果的です。フッ素塗布は小さなうちから積極的におこないましょう。

シーラント − 奥歯をむし歯からまもろう −

奥歯の溝の部分は歯磨きが行き届かず、むし歯になりやすいポイントです。あらかじめむし歯になる前に溝をプラスチックの材料で塞いであげると(シーラント)むし歯予防に効果的です。この方法は少し年齢の上がった子供さんに対しておこなわれます。

食事 − 間食は時間を決めて・食べたら磨く −

 子供は一回の食事量が少ないため、朝昼晩の食事だけでなく間食も必要です。お菓子をあげることが間食ではありません。小さな頃から甘い味を覚えるとなかなか甘いものから手が離れなくなります。甘い物好きの子供にならないように注意してください。飲み物にも注意が必要です。スポーツドリンクは発熱したときや汗をたくさんかいた後の水分補給には有効ですが、いつもあげていると多くの歯にまとめてむし歯ができることになります。おなかにいいといわれている乳酸菌飲料にも砂糖はたくさん入っています。飲ませた後には水や白湯を飲ませ、口をすすがせてください。
むし歯予防のポイントは年齢によって少しずつ異なり、それぞれに応じた方法があります。また、保護者の方の健康管理も必要になります。

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