教 育

 当講座の守備範囲は,系統解剖学(神経解剖学を除く)と歯牙解剖学の講義および同実習である。正常な人体構造の理解無しには病的状態を知ることができず,正しい診断も治療も生まれない。解剖学の教育が医・歯学教育課程の初期に行われる所以である。講義は人体を構成する器官について順次行い,その際には器官相互の位置関係も重視し,人体構造を立体的に捉えられるように配慮している。また,臨床上の問題と関連させて学習することにより,実用の学として理解できるように心がけている。また,歯の形態についても同様である。
系統解剖実習は与えられた時間の中での教育効果を高めるため,講義の時間数を抑えて実習に比重を置いている。遺体解剖実習では,人体の構造についての知識を自分の目と手で確かめるように努めている。この際には,尊い志で献体してくださったご遺体に対して心からの敬意と感謝の気持ち忘れないように指導している。また,ご遺体を前に自らの非力を悟り,生命の尊厳や医の倫理についても考える機会を与えられるよう教育・指導を行っている。



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