外科矯正(患者さん向け)
顎変形症は、成長とともに上顎や下顎の突出や陥凹、左右差などの骨格的な変形が生じ、かみ合わせや顔貌に異常が生じる状態をいいます。骨格的で通常の矯正治療ではかみ合わせの改善が難しい場合は、手術による外科的矯正治療が適応となります。
当院では、口腔外科および矯正歯科が綿密な連携を取り、多くの臨床経験と豊富な専門知識に基づき、患者さん1人1人に合った治療法を選択し、患者さんの心身の健康を支えてまいります。
顎変形症の治療の内容
- 術前歯科矯正治療
- 矯正歯科医により外科的治療の適応があるか診断を行い、手術を行う上で全身に問題がないか検査を行います。外科的手術の適応と診断された場合は術前の矯正治療を開始します。口腔外科医と矯正歯科医との合同カンファレンスを複数回行ったのち、治療方針を決定します。院外の矯正歯科開業医の先生より紹介をされ受診された方には、ご紹介いただいた先生と連携し治療を進めてまいります。必要に応じて手術の概要について事前に患者さん、ご家族に説明を行います。
- 術前検査
- 術前矯正の終盤に、手術や術前検査(血液検査、尿検査、心電図、呼吸器、X線など)の日程を決定します。手術に必要な術前検査ののち、必要に応じて内科医の診察、自己血貯血などを行います。事前に三次元模型の作成やシミュレーションを行い、術式の最終確認を行います。
- 入院
- 手術日前日または数日前に入院を行います。矯正歯科での調整など手術の最終準備を行います。
- 手術
- 手術方法にもよりますが、麻酔時間を含め、下顎単独の場合は3〜4時間、上下顎の場合は5〜7時間の手術となります。術中矯正歯科と確認を行いながら全身麻酔下に顎骨の分割、移動、固定を行っていきます。術後は術式によりICUでの管理となることがあります。
- 術後
- 創部の出血を吸引するための持続吸引装置を約3日間口腔内に留置します。また、手術翌日からゴム牽引を行い、顎位の安静を図ります。術後数日より経口流動食の摂取を開始し、軟らかい食事の摂取ができるようになったら、退院となります。退院後も術後矯正を継続し、定期的な画像検査を行い、約半年後にプレート除去を予定します。期間に関しては個人差があります。
