粘膜疾患(医療従事者・学生さん向け)
口腔粘膜とそれに付随する組織(筋肉、欠陥、神経、唾液腺など)を含む軟組織の病変を言います。病因は細菌感染、ウイルス感染、外傷性、 腫瘍性などがありますが、原因不明のものも少なくありません。この中で悪性化することもある粘膜の病気について見ていきましょう。

白板症(はくばんしょう)
舌・歯肉・頬粘膜にできる白色の斑点で拭っても除去はできません。がん化しやすい粘膜の病気の中で最も頻度が高い疾患です。そのうちの数~十数%ががんになると言われています。

紅板症
白板症と同じように舌・歯肉・頬粘膜に生じます。ビロードに例えられる鮮やかな赤色が特徴です。発症頻度は低いですが、白板症よりもがん化しやすく50%の確率で悪性化すると言われています。

扁平苔癬
皮膚にも生じる疾患で口腔粘膜にも生じます。両側の頬粘膜に発症することが多いですが、歯肉、唇にも生じます。レース状の白い線や斑点ができ周囲にただれや痛みが生じます。金属アレルギーを始め、免疫の異常が関係していると言われていますが、正確な原因は不明です。上記の疾患と比べると頻度はずっと低いですが、長期経過後にがん化する可能性もあります。
粘膜疾患は多岐にわたり治療法は疾患によって経過観察から切除を必要とするものまでさまざまです。診断に迷われるものがありましたら是非当科へご紹介ください。