口腔がんにおけるMCT4に着目した癌性骨痛メカニズム解明

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口腔がんにおけるMCT4に着目した癌性骨痛メカニズム解明 / 研究者:長谷川 利聡

口腔がんはしばしば顎骨に浸潤することにより、 がん性骨痛 (cancer induced bone pain: CIBP) を引き起こす。 CIBPは身体的・精神的に大きな苦痛を患者に与えるため臨床上の重要な課題であるが、 その発生メカニズムは非常に複雑で、 未だ有効な治療法は確立されていない。 近年、 乳酸の細胞輸送体であるモノカルボン酸トランスポーター (monocarboxylate transporter: MCT) が多くのがん種で高発現し腫瘍増大や転移に関与することが報告された。 また乳酸は中枢神経において重要なエネルギー源であり、 特に低酸素状態ではMCTを介して乳酸を積極的に取り込み、 グルコースよりも主要なエネルギーとして活用されることが報告され、 神経系における乳酸の代謝基質としての役割が明らかとなった。

当講座ではマウス口腔がん骨破壊モデルを用いて、 がんのMCT4発現と知覚神経のGPR81受容体発現に注目し、 がんと神経のクロストークとCIBPメカニズムの解明を目指し、 基礎研究を行っている。

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